【よくある相談】遺言書は何歳から書けるのでしょうか。

【設例】

私は17歳の高校生ですが,昨年交通事故で母を亡くし,母の遺産を相続しました。父は,私が重い病気を患っており,介護が必要なことが原因で,私の生後1~2年で母と別居状態となり,その後まもなく母と離婚しました。現在,母方の祖母が私を介護してくれています。私は病気でいつ亡くなるかわからないため,私の遺産はすべて祖母に譲りたいと考えています。私はまだ未成年ですが,遺言書を書くことはできるのでしょうか。

 

 

【回答】

満15歳に達していて,自分のする遺言の内容と,その遺言によって発生する法律上の効果を理解したうえで判断する能力(遺言能力といいます。)があれば,未成年者であっても遺言書を書くことができます。

 

民法は,15歳に達した者であり(民法961条),かつ遺言をする時に遺言能力があれば(同法963条),遺言をすることができると定めています。遺言制度は,遺言者の最終の意思を尊重する制度です。また,遺言は,遺言者の死亡によってその効力が発生するため,遺言者の生存中は,遺言者に不利益を与えることはありません。そこで,民法は,物を贈ったり売り買いするなどの取引を親権者などの同意がなくても一人で行うことができる能力(行為能力といいます。)が備わる年齢を満20歳(同法4条)として,未成年者の財産を保護しているのとは異なり,遺言能力は,満15歳に達すれば備わると定めています。

 

このような理由から,一定の未成年者の取引を,その親権者等が取り消すことができることを定めている同法5条2項や,その他成年被後見人,被保佐人,被補助人と呼ばれる判断能力が不十分である方々の財産を保護するための規定(同法9条,13条及び17条)は,遺言とは関係のない規定であるとされており(同法962条),これらの規定によって遺言が取り消されることはありません。

 

設例では,遺言者は17歳であり,満15歳以上であるため,有効な遺言書を書くことができます。また,同法5条の適用がないため,遺言者の父の同意がなくても,遺言者が作成した遺言が,未成年者であることを理由に取り消されることはありません。よって,遺言者は,その遺産のすべてを祖母に与えるという内容の遺言書を書くことができます(ただし,遺言者の父が遺留分(同法1028条1号,相続人が遺言者の父のみであることを前提とすると,同人には遺言者の遺産の3分の1を取得する権利が認められます。)を請求してきた場合の問題は,別に検討する必要があります。)。

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