遺言書の検認手続きについて

■ご相談内容

2か月前に私の母が亡くなりました。母の相続人は私を含め,子3人です。

 

相続人3人で,母の遺産分割協議を開始しましたが,昨日,母の寝室の掃除をしていた私は母の遺言書を発見しました。

 

遺言書の検認手続きについて,その必要性と申立方法を教えてください。

仮に,検認の手続きを踏むことなく,私一人が開封すると遺言書は無効になるのでしょうか。また,勝手に開封した場合,私には何らかのペナルティが科せられるのでしょうか。

 

■回答内容

1 「検認」とは

被相続人の遺言書(公正証書による遺言を除きます。)の存在を確認した場合,被相続人の死亡後,相続人は,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません(民法1004条)。

 

「検認」とは,遺言内容を明確にして,遺言書が偽造や変造されていないかの確認と,それを防止するための手続きです。あくまで確認と変造の防止が目的であり,遺言が有効であるか否かを判断する手続きではありません。

 

 

2 「検認」の手続き

遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が,遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に対し,「検認」の申立を行います。

 

(1)申立に必要な書類

 【共通】

・ 家事審判申立書

・ 当事者目録

・ 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・ 相続人全員の戸籍謄本

・ 遺言者の子(及びその代襲者)が死亡している場合には,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

 

 

【相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合】

・ 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る)で死亡した人がいる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

 

 

【相続人が不存在・遺言者の配偶者のみ・遺言者の(配偶者と)兄弟姉妹及びその代襲者(おい・めい)(第三順位相続人)の場合】

・ 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・ 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・ 遺言者の兄弟姉妹に死亡した人がいる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・ 代襲者(おい・めい)が死亡している場合,そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

 

 

(2)申立にかかる費用

・収入印紙:遺言書1通につき800円

・連絡用の郵便切手(裁判所によって異なる)

 

 

(3)遺言書検認期日について

申立てから1週間から1か月後に,家庭裁判所より,検認の日を指定する「検認期日通知書」が送られてきます。通常は,家庭裁判所から検認期日について電話が入ります。

 

検認期日には,遺言に関する一切の事実(書式や作成年月日,使用された筆記具など)を調査し,検認調書が作成されます。
検認手続が済んだら,「検認済証明書」を添付した遺言書が返却されます。

 

検認済証明書は,裁判所書記官によって作成され,「この遺言書は平成○年○月○日に検認されたことを証明する。」などと記載されています。

 

3 検認手続きを経ず,勝手に遺言書を開封した場合。

公正証書遺言以外の遺言書の検認手続きを経ず,勝手に開封した場合でも,その遺言書がただちに無効となるわけではありませんが,遺言書の偽造や変造を疑われるリスクがあります。

 

また,遺言書の検認手続きを経ず,勝手に開封した場合,5万円以下の過料に処せられることになります(民法1005条)。

 

さらに,遺言書の提出を怠るのみならず,故意に遺言書を隠匿していた場合には,相続人であれば相続人たる資格を失い(民法891条),相続人以外の保管者が受遺者であれば受遺者たる資格を失います(民法965条)。

  

検認申立手続きを当法人にご依頼いただいた場合には,勿論,検認申立に添付する戸籍等の取寄せ等からお任せいただけます。

また,検認後の具体的な相続手続き等についても引き続きご相談いただくことも可能ですので,お気軽にご相談ください。

 

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